多面指し

先日のANB「相棒」は将棋界が舞台の殺人事件でした。

 将棋盤や駒、対局のシーンなどを横目で見ながら30年ほど前に一時期将棋に夢中になっていた頃のことを思い出していました。
将棋界はプロとアマの差が峻別されている世界です。棋士は絶対的な棋力を持ち、それゆえにアマチアの絶対的な尊敬を受けるているのです。

 棋士は将棋の普及とフアンサービスのため、5面差しとか、10面差しとかの指導対局をおこないます。小中学生のみならず、社会人の有段者(アマチアの)と2枚落ち(飛車角2枚を落とすこと)から差し手の棋力により飛車落ち、角落ちなどの手合いを決め、で同時に5人とか10人とかに指導対局をしおこないます。

 私も何度かそのような機会に恵まれました。棋士はほんの一瞬ちらっと盤面を眺め、一手差してお隣に進みます。この指された手が厳しいこと。この方達の頭の中ほどうなっているのか興味津々です。

ここで仕事の話です。
 行政書士業務を営んでいると、仕事に波があるとはよく同業者と話し合うところですが、私の事務所では、ここ1ヶ月半ぐらい、契約書の作成業務が集中しています。
契約書の作成業務は集中力と注意力を要求される業務です。
契約書上の条文の構成に気を配り、言葉を選び、依頼者に不利な状況が生じないように配慮します。
最終的に紛争が起き、裁判で争うようになった時の事を想定し組み立てていきます。確認すべき事項があれば、法律の条文、判例、解説書で押さえてゆきます。

 原案が出来ると、Faxやメールで委託者に送信します。
委託者はそれに目を通し、疑問点を質問し、訂正の申し入れが来ます。

 ここからが問題なのですが、複数の契約書作成を同時進行し、質問に答え、訂正の打合せをしていると、なにやら契約書作成の多面指しをしているような気分になり、頭の中が「ウニ」状態になります。そんな状態で、うっかり話し合った契約書とは異なる契約書を取り違えて訂正してしまい、後で読んだときに全然筋が通らない構成になり愕然とした事がありました。
 それからは、違う種類の契約書に取り組むときは、コーヒーを飲んだり、散歩に行って頭を切り換えてから取りかかるようにしています。

 我ら凡人は、1次元の思考を整理するだけでも一苦労するわけですが、先に書いた専門棋士の先生方は、2次元、3次元で物事を見、瞬時に判断を下しているように見受けられます。実にうらやましい限りですし、そのような頭脳があればさぞかし仕事の進み方も順調だろうと思うのですが。

テーマ : 思ったこと・感じたこと - ジャンル : 日記

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